2012年08月05日

海の鳥・空の魚

神はまた言われた。
「水は魚の群れで満ち、鳥は地の上、天の大空を飛べ」。
神をこれを見て良しとし、また祝福して言われた。
「生めよ殖えよ。魚は海の水に満ちよ、また鳥は空に殖えよ」。


どんな人にも光を放つ一瞬がある。
その一瞬のためだけに、そのあとの長い長い時間をただただ過ごしていくこともできるような。
一瞬一瞬の堆積こそが人の一生なのだと言われれば、それを否定することはやはりできないけれど、うず高く積まれてゆく時間のひとコマひとコマ、その全てを最高のものに仕立てあげるのはとても難しいことだ。
難しいことだから、「うまくいった一瞬」が大切なものになるのではないだろうか。


神様は海には魚を、空には鳥を、それぞれそこにあるべきものとして創られたそうだが、そのとき何かの手違いで、海に放り投げられた鳥、空に飛びたたされた魚がいたかも知れない。
エラを持たぬ鳥も羽根を持たぬ魚も、間違った場所で喘ぎながらも、結構生きながらえていっただろう。
もっとも、そこにあるべくしてある連中に比べれば何倍もやりにくかっただろうけれど。
そうして、「やりにくかった連中」にだって「うまくいった一瞬」はあったはずだとわたしは思うのである。



“今”ロンドンではオリンピックが開催されています。

私も、テレビに釘付けな毎日を過ごしています。

その中で、ふっと、遠い昔に読んだ上記の文章が思い出されました。


海の鳥・空の魚



  『海の鳥・空の魚』 鷺沢 萌 著

あとがきに記されているこの文章が、私は大好きです。 



選手達の輝く光を目にして、
懐かしく『海の鳥・空の魚』を本棚から手にしてみました。





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